仙塩ひと・しごと図鑑

【燻製ナッツ製造】尾形一人さん(おが太郎)

燻製工房おが太郎

少し前から「塩釜で美味いスモークナッツが売られている」という噂を耳にしました。

直営の店があるわけではなく、ネットやイベントなどで販売されているほか、ガソリンスタンドでも扱っているという情報も…

ブランド名は「燻製工房 おが太郎」。

やや、人を食ったようなネーミングだが、Webサイトをみると、なるほど作っているのは尾形さんという方。

いったい、どんな人が作っているのか?

気になった我々は「おが太郎」へのコンタクトを試みたところ、快く取材を受けて頂けることに…

謎めいた「おが太郎」の素顔に迫ってみたいと思います。

我々を出迎えてくれたのは代表の尾形美保さん、燻製職人であり、代表の夫でもある一人(かずと)さんの二人。

代表の方の尾形さんは、配達業務で忙しいため、主にお話は一人さんにお伺いしました。

夫婦で切り盛りしていらっしゃるのですか?
尾形さん
尾形さん
はい。代表は妻なのですが、つい先日、私もサラリーマンを退職して、いまはこの仕事に専念しています
何がきっかけで燻製ナッツを手掛けようと思ったのですか?
尾形さん
尾形さん
もともと小さい頃から燻製に惹かれていまして…子供のおやつでもサラミ系のソーセージあるじゃないですか。ああいうのが大好きで、それが原体験にあったと思います。

その後、自分で「いぶりがっこ*1」を作ってみたら、意外に美味しくて。そこから、趣味で燻製を作ったりしていました。

本当であれば、たくさんのメニューをそろえた「燻製居酒屋」をオープンしたかったのですが、まずは燻製ナッツが売れてからの方がいいな、と。いまは、その入り口に立った、という感じですかね

*1 秋田県の伝統料理。大根の漬物を囲炉裏の煙でいぶしたもの
燻製といえば温燻や冷燻、肉類や魚介類なども沢山ありますけど、ナッツに絞り込んでいるのですね?
尾形さん
尾形さん
代表(奥様)がナッツが好きというのもありましたし、自分たちで試行錯誤を繰り返して出来上がった製品がうまくいった、というのもあります。

うちでは、それぞれの素材にいちばん適したローストや燻製を行い、一粒ずつ出来具合を確認してから、袋詰めにするのがこだわりです。

手間ひまはかかっていますが、それだけ味には自信があります。

また、エアコンで工場内の温度や湿度も一定に保っています

そこまで徹底しているんですね?実は伺うまで外に大きなスモーカーがいくつも並んで、そこで造っていると思っていました
尾形さん
尾形さん
私もそういうものだと思っていました。大きなスモーカーに大きな熱源で、モクモクと煙を焚いて造るというのが燻製のイメージだと思うのです。

もちろん、それで美味しい燻製が出来ることもありますが、大きな火力はコントロールが難しいですし、外気は温度を一定にしてくれません。

作る時の環境を同じにしないと、材料同じ分量で、同じ時間で、同じレシピで燻製しても同じ製品にはなりません。

冷燻*2であれば、いいのかもしれませんが、短時間で仕上げるためには、外気温もスモーカー内の温度も時間も厳密に調整する必要があります。

*2 温度の高い燻煙を直接素材に当てず、温度が下がった煙で時間をかけて燻製にするため、あまり加熱されない。冷燻の代表的なレシピはスモークサーモン
面白いですね。料理というよりも、そこだけは工業製品のようですね
尾形さん
尾形さん
まさにその通りです。でも、突き詰めていくと料理の世界はそうなるらしいです
おが太郎のスモークナッツは、ズバリどういう食べ方が美味しいですか?
尾形さん
尾形さん
それはもちろん、そのまま食べて頂くのが一番です。何かと一緒に、ということであればワインかウィスキーですね。家内はワイン、私はウィスキーが好きなので、そこに合うよう作りました。

私は日本酒も好きなので、日本酒に合うスモークナッツを作りたいのですが、いまのところ未完成です。あたりめのような魚介類のスモークなら、合うと思うのですが

ナッツ以外、肉類や魚介類の製品をレパートリーに加える計画はありますか?
尾形さん
尾形さん
もちろん、肉類や魚類の商品もやりたい、という気持ちはありますし、構想がないわけではありません。

ただ、コロナ禍でいろいろと計画変更を余儀なくされていますので、まずはスモークナッツをたくさんの人に知って欲しいと思っています。

十分に浸透した暁には、キッチンカーで自分からお客さんのところに行ったり、あとは最初に言ったように燻製居酒屋を出したいです。そうなれば、ナッツ以外の商品もたくさん作れますから

もし、お店を出すとしたら、塩釜ですか?
尾形さん
尾形さん
はい、生まれ育った塩釜でやりたいですね。あ、せっかくなので故郷に貢献したい、にして下さい(笑)
おどけて笑う尾形さんだが、嬉しい時だけではなく苦しい時もあったはず。仕事を続けているうえで、どんな苦楽があったのでしょうか?
尾形さん
尾形さん
「時々イベント出店などで、お客さんと直に接する機会があり、その時に商品を見た方々が「これ知ってる」「これ美味しいんだよね」なんて話しているのを耳にすると嬉しいですよね。ただ、まだ金銭面で余裕があるわけではないので、そこは苦しいですかね。
これから社会に出ようとする人、特に同じように起業する人に向けてアドバイスするとしたらどんなことですか?
尾形さん
尾形さん
あまり深く深刻に考えず、迷わず突き進むこと、ですかね。まずは気軽にやってみたらいいと思います。

私も最初は家内に代表を任せ、自分はサラリーマンの休日に工房で作業していました。最初は副業でもいいので、始めてみることです。

真面目にやっていれば周りが助けてくれるので、やれば意外に何とかなります(笑)。チャンスが来たら波に乗ればいいので

尾形さんにとって「宝物は何ですか?」
尾形さん
尾形さん
(しばらく考えて)やっぱりレシピ…ですかね。誰でも簡単に真似できちゃうでしょうから、これがなくなったら大変です(笑)
まとめ

本気とも冗談とも取れない答えだったが、製品作りには真摯に向き合う姿勢が強く伝わってきた。コロナ禍で外食向けの売上が落ちているものの、小売りでの人気が高まっている実感はあるという。

取材中にもおっしゃっていた通り、近い将来は、ナッツ以外の商品を展開、キッチンカーや飲食店経営も視野に入れている。

いまは、ほとんど工房内での作業に徹している尾形さんだが、人柄の良さがあふれる笑顔の持ち主なので、店舗を始めてもすぐに人気店となるに違いない。

「近い将来」が1日でも早く訪れることを願っております。

ひと:尾形一人さん
しごと:燻製工房おが太郎(燻製ナッツ製造)
サイト:HPショッピングサイトTwitter

(執筆:竹田 知広)

おが太郎さんの燻製ナッツ取扱店

塩竈市新浜 間宮商店

塩竈市本町 otomo.

塩竈市北浜 ガソリンスタンド(シェル)

塩竈市野田 ヨークベニマル塩釜店内直江商店

松島町 陸奥物産店内